「養育費は請求しないって約束したじゃないか!!」

離婚当時は子供の面倒は全て自分でみようと、「養育費の請求はしない」と約束して、離婚協議書(公正証書)にまで書いて約束した場合、もはや養育費の請求はできないのでしょうか?

専門家以外の人であれば「最初にそう約束したのだからもう請求できない」と考える人も少くないでしょうね。

しかし、結論からザックリ言いますと請求はできます。

次のような判例があります。
「養育費不請求の合意は、父と母との間に成立した合意であり、父と子との間には直接の権利義務を生ぜしめたものでないことから、子に対しては拘束力を有せず単に養育費算定の際に斟酌されるべき一つの事由になるにすぎない」

つまり、「父と母」の間における養育費不請求の合意は一応有効とはいえますが、養育費は基本的に母ではなく子の養育の為に利用するものであるから、子の養育費請求権まで拘束する事はできない。

結局、いくら養育費不請求の合意があろうとも、子の親権者が法定代理人として養育費を請求する事ができるのです。