行方不明の相手方との離婚については、前回書いた「悪意の遺棄」「三年以上の生死不明」などがありますが、似たように婚姻関係を終了させる方法として、法律的に死亡したとみなす「失踪宣告制度」を利用するというのがあります。

生死不明の期間が7年以上の場合は「失踪宣告」(民法30条)を申し立てる事ができ、もし失踪宣告が認められると、法律上はその行方不明者は死亡したとみなされます。それによって婚姻関係は終了して相続が開始します。

注意すべき点は、「失踪宣告」=「離婚」ではありません

前回の「悪意の遺棄」「三年以上の生死不明」は、あくまで離婚原因に該当し、裁判によって「離婚」となるのですが、
「失踪宣告」は「死亡したとみなされる」にとどまります。

もし、失踪宣告を受けた方が生還し、失踪宣告が取り消された場合は、相手方が再婚していたとしても前婚は復活して、再婚(後婚)は重婚で取り消し事由に該当してしまうので注意が必要です。

<まとめ・失踪宣告で婚姻関係をやめる場合>
●相続が開始します。
●失踪宣告取消しで再婚も取消し事由になります。
●姻族関係(失踪者との親戚関係)は継続します。(姻族関係終了の意思表示も可能/民法728条)