前回財産分与請求の発生時について書きましたが(財産分与請求権の発生時期=離婚時)、ではその離婚を前提として不動産を財産分与として分ける場合、あらかじめ「仮登記」という形で登記簿上保全しておく事はできるのでしょうか?

「離婚する前に勝手に売却されたらたまらない・・。何とか保全しておきたい」

という要望もあると思います。

しかしながら実務上それを実現する事はできません。

「離婚の予約」というのが法律上できないと同じように、それらを前提とする「財産分与の予約」というのも法律上なんの効力も生じません。

よって協議離婚の届出前に、「財産分与の予約」を原因とする仮登記(所有権移転請求権仮登記)を申請しても登記をうける事ができません。(昭和57年1月16日民三251回答)