名古屋の離婚相談所

名古屋の離婚相談所。難しい法律用語もわかりやすく解説し、離婚・不倫・養育費・子供の親権・慰謝料・財産分与・認知・離婚協議書・離婚調停・離婚裁判等々について書いていこうと思います。

離婚原因

行方不明(家出)の夫(妻)と離婚できるか? その2

行方不明の相手方との離婚については、前回書いた「悪意の遺棄」「三年以上の生死不明」などがありますが、似たように婚姻関係を終了させる方法として、法律的に死亡したとみなす「失踪宣告制度」を利用するというのがあります。

生死不明の期間が7年以上の場合は「失踪宣告」(民法30条)を申し立てる事ができ、もし失踪宣告が認められると、法律上はその行方不明者は死亡したとみなされます。それによって婚姻関係は終了して相続が開始します。

注意すべき点は、「失踪宣告」=「離婚」ではありません

前回の「悪意の遺棄」「三年以上の生死不明」は、あくまで離婚原因に該当し、裁判によって「離婚」となるのですが、
「失踪宣告」は「死亡したとみなされる」にとどまります。

もし、失踪宣告を受けた方が生還し、失踪宣告が取り消された場合は、相手方が再婚していたとしても前婚は復活して、再婚(後婚)は重婚で取り消し事由に該当してしまうので注意が必要です。

<まとめ・失踪宣告で婚姻関係をやめる場合>
●相続が開始します。
●失踪宣告取消しで再婚も取消し事由になります。
●姻族関係(失踪者との親戚関係)は継続します。(姻族関係終了の意思表示も可能/民法728条)

行方不明(家出)の夫(妻)と離婚できるか?

「失踪」・・・
夫婦の一方どちらかが突然連絡不能になり、行方不明になった場合は離婚できるのでしょうか?

このようなケースでは民法の離婚原因としては条文で2つの項目で検討できます。

〔泳。沓沓鮎鬘厩狢茖温罅’朸者から悪意で遺棄された時

¬泳。沓沓鮎鬘厩狢茖街罅’朸者の生死が三年以上明らかでない

例えば,痢悪意の遺棄」は、出稼ぎ・出張などの正当な理由が無いのに家を出て、連絡不能になった場合、夫婦の同居義務・相互扶養義務を放棄したとみなして離婚を主張できる可能性があります。(早く別の相手を探したい場合もありますからね・・(´−д−;`))

ただし、判例で「妻が婚姻関係の破綻について主たる責めを負うとき、夫が扶助しないとしても悪意の遺棄にあたらない(最判S39.9.17)」というものがありますので、たとえばDV(ドメスティックバイオレンス)などで被害側が退避していた場合は、加害側はこの民法770条1項第2号「悪意の遺棄」は主張できないと考えられます。

これに対して△痢崘朸者の生死が三年以上明らかでない時」については、原則的には理由のいかんを問わず生死の不明が3年以上経過すると主張が可能です。(「生死不明となるに至った原因いかんは問わない」大津地裁25.7.27)

上記のような場合は、例外的に離婚調停ではなく最初から裁判所へ離婚訴訟を起こす事になります。

相手方の行方は不明なので、「公示送達」(裁判所の掲示板に2週間訴状を掲示する)という方法により訴状が送達され、裁判官にその請求内容が認められれば離婚成立となります。

離婚原因が宗教活動 

夫婦のどちらかが宗教活動にのめりこんでしまっている場合、これは離婚原因になるのでしょうか?

これについて過去の判例は、離婚原因として認める・認めないはかなりケースバイケースで判断を異にしています。

端的に言えば宗教活動が、家庭生活においてどれほど影響を与えているかが重要で、それによって夫婦の協力義務違反と認められる状態であるのか、又別居の有無・子供の有無・夫婦関係修復の可能性等総合的に判断されます。

東京地裁H9.10.23の判例ですと、信仰している宗教の違いで10数年間対立しており、夫婦関係修復の可能性は少なく、また3人の子供は成人している事を考慮して婚姻を継続し難い重大な事由と認定して離婚を認めています。

宗教については日本国憲法で「信仰の自由」が認められるほど大切な権利ではありますが、結局それにのめりこんで家庭生活を疎かにしてはいけない、という事ですね。

セックスレスは離婚原因になるか?

日本性科学会が定義しているセックスレスとは、「特殊な事情が認められないのにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはセクシャル・コンタクトが1ヶ月以上もなく、その後も長期にわたることが予想される場合」という事です。

以前から日本においてもセックスレス夫婦・カップルが増えており、ある統計では20代が約15%、30代が約30%、40代が約40%がセックスレスに該当するようです。

ではそのセックスレス離婚原因に該当するのでしょうか?

結論としては「セックスレスは離婚原因になる可能性がある」と言えます。

もちろん病気や怪我、高齢による性交不能はそれにあたりませんが、それが発端となって互いの関係が崩れ、破綻に至った場合は離婚原因に該当する場合があります。

判例として以下のようなものがあります。

「性交渉の拒否について正当な自由が無く、それが原因で婚姻が破綻した場合は慰謝料が認められる」「婚姻に際して性的不能を告知しない事は、信義則違反である」(京都地裁S62.5.12)

「夫がポルノ雑誌に異常な関心を示して自慰行為にふけり、妻が性交渉を求めたのに拒否したことについて、夫に慰謝料500万円を認める」(浦和地裁S60.9.10)

「妻が男性に触られると気持ちが悪いと性交渉を拒否した結果、喧嘩が絶えず破綻した事について、妻に慰謝料150万円を認める」(岡山地裁津山支部 H3.3.29)

セックスレス=即離婚原因にはなりませんが、それが原因となって婚姻関係が破綻した場合は、離婚原因になり慰謝料も認められる事が読み取れますね。
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